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番外編 過去に囚われたままの彼
「ドクロの刺青・・・!?もしかしてスカルのことか?」
「さすが播本。詳しいな」
「ちょっと小耳に挟んだだけだ。何度も言うが今は茨木だ」
「別にどっちでもいいだろう」
茨木さんと縣さんの会話を、心さんは首を傾げて不思議そうに聞いていた。一方の遥香は幼児用の小さな紙パックの麦茶を飲みながら、チョコチップクッキーを頬張っていた。
「未知、悪いがスマホを貸してくれるか⁉俺が掛けるとアイツ絶対出ないから」
裕貴さんに言われエプロンのポケットからスマホを取り出した。アイツって、彼のことかな。てっきりそう思っていたけれど。
「裕貴だ。今すぐカフェに来い」
『なぜ、あなたが未知さんのスマホを持ってるんですか』
橘さんの声が漏れ聞こえてきた。かなり苛立ってる。
「じゃあ聞くが、俺の番号を着信拒否にしてるのはどこのどいつだよ」
裕貴さんも負けじと言葉を返した。
『くだらない話しを聞かされるこっちの身にもなって下さい』
「はぁ!?何が下らないだ。そんなことよりも、お前が誰よりも愛する未知がピンチなんだ。さっさと来い」
『来いじゃなくて、来てくださいですよね?』
橘さんの容赦ないつっこみに、裕貴さん早々に白旗を上げていた。
「遥琉といい裕貴といい、相変わらずお兄ちゃんには敵わないね」
くくっと千里さんが苦笑していた。
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