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番外編 新しい生活がはじまり、ママ友と出会い、そして……

「良かったね未知。おめでとう」 夕食を運んできてくれた紫さんに、妊娠したかも知れないと筆談で伝えると、すごく喜んでくれた。 「上澤先生がそう仰るなら間違いないわね。なるべく早く産婦人科を受診しないと。でも、屋敷から外に出るのは危険だし……どうしたらいいかしら」 「未知を守る為にオレ達がいるんだ。橘もいるし、警備の方は任せろ」 菱沼組の幹部の皆さんに挨拶をしに行っていた橘さんが、心さんと度会さんと連れ立って戻ってきた。お利口さんにして大人しくご飯を食べていた一太と遥香の動きがピタリと止まった。二人共、かなり驚いたみたいで目を丸くしていた。 「ままたんだ」 遥香が箸を握り締めたまま、大好きな橘さんめがけて突進していった。 「ハルちゃん、箸を持ったまま走ったら危ないですよ」 「あそぼ」 すっかり興奮しぴょんぴょんと跳ねながら抱っこをせがむ遥香。橘さんの声は当然ながら耳に入っていない。 「じゃあ、ご飯をたべたら、遊びましょうね」 「はぁ~~い」 遥香の面倒見は手慣れたもの。 笑顔で抱き上げると、さっきまで座っていた場所に移動した。 「へぇーお前が母親代わりとは」 信じられないといった表情で度会さんが驚いていた。 「意外だと仰りたいのでしょ」 遥香の世話を甲斐甲斐しくしながら、顔をしかめていた。

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