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番外編 新しい生活がはじまり、ママ友と出会い、そして・・・・・

「遥琉はしつこいんですよ。昨夜から朝方にかけて、十五分おきに着信がありました。未知さんが心配なのは分かりますが、今がどんな状況か全く分かっていないんですよ彼は」 一つため息をつく橘さん。 昨夜、子供たちを寝かしつけていたら、いつものようにおやすみのメールが彼から来た。慣れなくて大変だけど、今は度会さんたちの言うことをちゃんと聞いて、耐えるんだよって。 僕が、分かってるって一言だけでもすぐに返信すれば良かったんだ。 双子を妊娠したこと。 何気ない日常の話しや、日々の子供たちの成長。 心さんも、橘さんも、度会さんたちも、みんな僕たちの為に一生懸命尽くしてくれてること。書きたいことは山のようにあった。伝えたいこともたくさん。でも、橘さんに余計なことは言わないように、連絡しないようにと口止めされていたから。 色々と考え事をしているうちに寝落ちしてしまったみたいで・・・ 本当に情けない。 「未知さん、食欲がないなら無理してまで食べなくてもいいですよ」 橘さんに声を掛けられてドキッとした。ごめんなさい、ぼぉっとしてて。慌てて首を横に振り、スプーンを手にした。 「しかし、あの遥琉が、現役をやめ、家庭を選ぶとは思わなかった」 信孝さんが感慨深そうな眼差しで急にそんなことを言い出した。 「私も遥琉も、あなたが家庭を築くとは思いませんでしたよ。てっきり一生独身かと」 「相変わらずお前は手厳しいな」 橘さんに皮肉を言われ、苦笑いする信孝さん。 そんな和やかな雰囲気も、拝島さんがこっちに向かっているという情報が流れてきて一変した。 朝ごはんを途中で切り上げ、橘さんに手伝ってもらって急いで荷物を纏めた。信孝さんが一太を、心さんが遥香をだっこしてくれて、裏口から出て、辺りを警戒しながら、信孝さんが乗ってきた車に足早に乗り込んだ。

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