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番外編思いがけない再会
【ううん、僕の方こそごめんなさい……】
真っ直ぐに見詰められて。首を振り、仄かに頬を染め下を向いた。
「未知が謝ることじゃない。悪いのは俺だ。大変なときに側にいてやれなくてすまなかった」
髪を撫でてくれる彼の大きな手。
安心できてすごく心地がいい。
嬉しくて涙が零れそうになった。
「泣き虫なのは相変わらずだな」
くすっと笑われて。
おでこにちゅぷっと音を立てて口付けられた。
瞳を覗き込むように見詰められて。魅入られたかのように動けずにいると、
「ありがとう未知」
と、真っ直ぐな気持ちを伝えられた。
「二人のベビハル、初めましてパパだよ……」
恐る恐るお腹を擦る彼の手は、微かに震えていた。
「未知が泣くから、俺まで……」
苦笑いを浮かべながら、空いている手で瞼の縁を擦っていた。
「未知も少し休んだ方がいい」
【遥琉さんは……?】
一秒たりとも離れたくなくて、胸元のシャツをギュッと握り締めた。
「弓削と他の幹部と、今後のことを話し合ってくるだけだ。大丈夫だ、すぐに戻ってくるから」
ニコッと微笑み掛けられて。
宥めるように、優しい口付けが、頬に触れ、額に触れ、鼻先に触れた。
「だから、そんな顔をするな。可愛い顔が台無しだ」
決して困らせようとした訳じゃないのに。
ごめんなさい……謝ろうと思った矢先、ふわりと体が宙に浮いた。
【は、遥琉さん!】
狼狽え、慌てた。
「これでも我慢してるんだ。頼むからあまり煽らないでくれ」
微かに掠れた声はドキッとするくらい色気を孕んでいて。
心臓がドキドキし、一気に鼓動が早くなった。
「遥琉、何をしてるんですか」
ダイニングを出たところで、戻ってきた橘さんと鉢合わせになった。
「何って、見ての通り抱っこをしているだけだ」
「未知さんのお腹には赤ちゃんがいるんですよ」
橘さんが烈火のごとく怒りだした。
「俺が未知を落とすわけないだろ!?お前は過保護過ぎるんだ」
「過保護なのはあなたの方です」
橘さんに言われ渋々ながら下に下ろしてくれた。
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