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番外編 僕達家族を守るために彼が決意したこと

「ママ、パパは?」 一太がくまのぬいぐるみを抱っこした遥香の手を引いて、リビングにちょっこり現れた。 「もうだいじょうぶだよ、ハルちゃん。なかないで。ママや、ままたんや、こころおにいちゃんがいるから、ね?」 眠気眼を擦りながらも、しゃくりあげて泣く遥香の頭を撫でたりと懸命にあやす一太。 「ハルちゃん、ままたんって、おいで」 橘さんが遥香に駆け寄り抱き上げてくれた。 「パパは?」 「もう少しで帰ってきますよ」 「ほんとうに?」 やっと大好きなパパに会えたのに。お昼寝から目が覚めたときに側にいなくて……それから、ずっとぐすってばかりの遥香。 このまま帰ってこないの? また、パパと離れ離れになるの? 不安そうに橘さんの顔を覗き込んだ。 「じゃあ、パパに電話をしましょう」 橘さんが遥香を片手で抱っこしたまま、空いている手で胸ポケットからスマホを取り出した。 「いちたもパパとしゃべりたい!!」 眠気が吹き飛んだのか、一太もぱたぱたと足音を立てて二人に駆け寄っていった。 「橘、もし弓削が出たら、心は寝ましたって言ってよ。余計なことを言わないでよ」 首に手を置いて、警戒心を露にする心さん。

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