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番外編 僕達家族を守るために彼が決意したこと

「昔のことをいちいち蒸し返さないで頂けますか?それに遥琉の恋女房は私でなく、未知さんですから」 「相変わらず可愛げがないな、お前は……」 特徴のある嗄れ声だった。 「未知さん彼は……」 「柚原だ」 彫りの深い精悍な顔立ちの男性は、無愛想に短くそれだけ口にすると、弓削さんの腕をむんずと掴み、ソファーに座らせ、自分はその隣に腰を下ろした。 「未知も座ってくれ。大事な話しがある」 彼の腕の中でうとうとと眠り始めた遥香を起こさないように橘さんがそっーと抱っこしてくれて、一太の手を引きながら寝室へと連れていってくれた。 「心にも聞いてほしい」 リビングから出ていこうとした心を彼が引き止めた。 「未知や心。そして、子供たち・・・大切な家族をどうしたら守れるか、裕貴や、遼成、福井と何度も話し合った。茨木さんや、親父にも相談し、度会さんや弓削とも何度も電話で話し合った」 僕たち家族を守るため、彼が悩みに悩んで決断したこと。 それは…… 「菱沼組の跡目を継ぐことにした。ごめんな未知。これしか方法がないんだ」

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