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番外編 僕達家族を守るために彼が決意したこと
「茨木さんって……もしかしてあの伝説の……」
「あぁ、今はカフェのオーナーをしている。今回もマチガイを起こさないよう奔走してくれたんだが……」
「そうか」
ため息を一つつく柚原さん。
未知……心さんに上着の裾を引っ張っられた。
「裕貴が話したいことがあるんだって」
彼の視線を気にしながら、スマホを恐る恐る受け取った。
ちゃぷんとお湯がはねた。
真後ろにいる彼の膝の上に乗り、心地よさにうとうとしながら身を委ねていたら、
「まさに生殺しだな」切羽詰まった彼の声が聞こえてきた。
「一月離れ離れになって、やっと再会出来て。しかも、滅多にない夫婦水入らずなのに……風呂でいちゃつくの禁止、ましてやエッチは言語道断。逆上せるから入浴は10分以内……アイツはどこまで鬼なんだ」
ガックリと肩を落とす彼。
「それだけじゃない。柚原をボディーカードとして、二十四時間警護させるって……俺、一言も聞いてないぞ」
ここにいない裕貴さんにまで恨み辛みを口にし始めた。
『未知、一回しか言わないからよく聞け』
さっき、裕貴さんから言われたこと。
それは……
目には目を歯には歯を……つまり、昇龍会が報復のためにプロの殺し屋を雇い、未知のボディーガードとして送り込んだ。柚原はもともと菱沼組の幹部で、その腕を見込まれ裏家業で殺し屋をしている。遥琉や橘とは顔馴染みだ。
未知のお兄さんをどうにか助けてやりたかったが、すまない・・・
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