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番外編 橘さんの結婚
「未知~~‼心~~‼」
甲高い声と共に姿を現したのは千里さんだった。
「えっ⁉嘘⁉何で⁉」
口をぽかんと開け、放心した表情を見せる心さん。驚きはやがて喜びへと変わった。
「会いたかった‼」
「アタシもよ。心元気だった⁉」
「うん、千里は⁉」
「アタシはほらこの通り」
抱き合って再会出来た喜びを爆発させる二人。
「ちょっと、それ短すぎない⁉」
「えっ⁉そうかしら⁉」
恐らく本人は気が付いていない。
柚原さんが目のやり場に困っていることに。
上は真っ白なノースリーブのシャツ。臍の部分がちらちらと見える、臍だしルックで、下は、お尻が見えるんじゃないかっていうくらい丈が短い、デニムのハーフパンツという格好だった。
「未知、聞いたわよ。おめでとう」
はしゃぐ二人を眺めていたら、何気に千里さんと目が合って。
ムギューと抱き締められた。
「ダーリンもお兄ちゃんも、アタシの可愛い妹が妊娠したことを教えてくれなかったのよ。酷くない⁉」
「この状況だ。仕方ないだろう⁉それに、あれほど来るなと言ったのに、何で来たんだ⁉」
おっきなスーツケースをコロコロと転がして橘さんが戻ってきた。
眉を吊り上げ、千里さんをキッと睨み付けた。
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