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番外編 かけがえのない大切な家族とともに生きる
お兄ちゃんのことは中澤さんや福井さんに任せ、彼と子供たち、そしてお腹の子たちの事だけ考えるようにと裕貴さんと度会さんに言われた。
だから、今は、かけがえのない大切な家族と共に過ごす方を優先することに決めた。
子供たちを寝かし付ければ、彼と二人きりで過ごせる大切な夫婦の時間に変わる。
胡座をかいている彼の膝の上に前を向いて座り、エコー写真を二人で眺めていたら、伸びてきた長い腕にそっと抱き寄せられて。次第に強く抱き締められた。
「未知もベビハルも、みんな無事で本当に良かった」
遥琉さん、もしかして泣いてるの?
首だけ捻り彼の瞳を覗き込むと、間近から見詰め返された。
「未知……」
耳を掠めたのは、艶かしさを湛えた彼の声。
その色気にゾクリと背が震えた。
「我慢しようと思ったのに煽ってどうするんだ?」
違うからと言いかけた唇に彼の口唇が触れた。最初は軽い口付け。
でもすぐにそれは熱をおび、より深く濃厚なものへと変わっていった。
【ん……っん……っ】
口内に挿し入ってきた舌に舌の根を擽られ、鼻から抜けたような声が思わず漏れた。
キスしかまだしていないのに。
久し振りだからかそれだけで、体が熱くなりはじめていた。
「了誓、ちょっと待て」
隣の部屋にいる橘さんの声が、襖越しに漏れ聞こえてきた。
「待てと言われても無理だろな。五年分溜まりに溜まってるんだから。俺達も負けずに仲良くしよか⁉可愛い未知を堪能させてくれ」
甘い声で囁かれれば、それだけで全身から力が抜けていく。彼の広くて大きい胸にしなだれるように身を預けた。
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