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番外編 元婚約者の出現に焼きもち妬きの彼、またまた大暴走

五分ほど経過したのち、また着信音が鳴り出した。 「だから今度は何だ」 不機嫌そうに声を荒げる彼。 『私がそんな姑息な真似をするとでも!?かれこれ貴方とは16年近く一緒にいるんですよ。貴方が何を考えているかくらい容易く分かりますよ』 全てお見通しの橘さんに敵うわけなどなく早々に白旗を上げる彼。 「すっかり忘れていたが、お前は元々地獄耳で、未知の声フェチだったんだ」 『そんな大事なこと普通忘れますか?』 「……ごめん」 橘さんに小言を並べられ、またまたスマホを握り締め、肩を落とししゅんとして(こうべ)を垂れる彼。 笑っちゃいけないとは分かっていたけれど、堪えきれずに思わず吹き出してしまった。 「笑うことないだろ⁉」 ムッとし不貞腐れながらすぐにベットに上に戻ってきて、スマホを枕元にぽんと置くと、片手でタオルケットを捲った。 「そもそも未知が颯人(アイツ)と婚約なんかするからいけないんだろ⁉」 見た目にも分かるほど頬を紅潮させ、さっきの話しを蒸し返す彼。 「颯人(アイツ)はまだ未知が好きだ。目を見たら分かる。根岸も言ってた。幾ら見合いを勧めても頑として首を縦に振らないって。未知にまだ未練が残ってるからだろ⁉違うか⁉」 言いがかりを付けられ詰め寄られた。 「こんな焼きもち妬きより、颯人(アイツ)の方がいいだろ⁉俺より若いし、カッコイイし」 ひんやりとした右手に縮こまった性器をじかに掴まれて息を呑んだ。

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