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番外編 拗れた片恋

「聞き耳を立ててるのが三人もいるんだ。声を出すなよ」 微かな欲情を孕んだ低い声で囁かれ耳朶を甘噛みされた。 その3人とは、隣の部屋にいる橘さんたちと、ドアの前で寝ずに警備にあたってる颯人さんの事。 「大丈夫、一太と遥香はぐっすり寝ているから」 【遥琉さ……ーー】 言いかけた声が口付けに奪われた。 最初は啄むような軽いキス。 でもすぐに深く濃密なものへと変わっていった。 【ん…ん、んんっ……】 挿し入ってきた舌に口内を探られ、甘い刺激にゾクゾクと背筋が震えた。 夢中で広い胸にぎゅっとしがみつくと、口唇を離した彼が小さく笑った。 「あまり煽らないでくれ。最後までしたくなるだろ!?」 【そんなつもりじゃあ……】 ぶんぶんと首を横に振った。 「未知がかわゆくてならない。妊娠中じゃなかったら、一晩中愛らしい君を愛でて、可愛がるところだが」 【は、遥琉さん!!】 真っ赤になりながら見上げると、ゆでたこみたいで可愛いね、からかうように笑われて、幾度となく口付けをされた。

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