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番外編 僕の想いがどうか彼に届きますように
「柚原さん、その動画どうするつもりですか⁉」
「どうするって、遥琉に送りつけてやるんだよ。どういう反応を見せるか楽しみだろ⁉」
「火に油を注いでどうするんですか。貴方っていう人は・・・」
ほとほと困り果て額に手をあてる橘さん。
カセットコンロを借りてきてもらい、レトルトのお粥をお湯で温めて容器に移し、冷ましながら和泉さんの口元に運んでいたら、いつの間にか橘さんや柚原さん、それに鳥飼さんまで僕の回りに集まってきた。
「遥琉のアドレスどれだっけ」
鼻唄を歌いながら柚原さんが片手でスマホを操作し始めた。それを見ていた和泉さんが急に慌てはじめた。
「ひ、一人で食べれるから」
か細い腕を伸ばしスプーンを取ろうとした。でも指が震えてなかなか握ることが出来なかった。
「ごめん、やっぱり食べさせてくれ」
いちいち謝らなくていいのに。
力なく肩を落とした彼をなんとか元気付けようと明るく振る舞った。
そんな僕たちを鳥飼さんは呆れながらもただ静かに見守っていた。
『大上さんにとどめをさしたのは、鳥飼さんでも、九鬼総業でもありません。カレンさんです』
橘さんから知らされた事実はあまりにも哀しくて辛いものだった。
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