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番外編 僕の想いがどうか彼に届きますように

一分も経たず彼から電話が掛かってきた。 オヤジ落ち着いてください!!彼を必死に宥める弓削さんや根岸さんの声も電話口から聞こえてきた。 『和泉を早く出せ!!』声を荒げる彼に対し、柚原さんは飄々とした態度で応じていた。 「ただでさえ焼きもち妬きなのに、煽ってどうするんですか?」 「橘、俺………」 和泉さんも気が気じゃないのかそわそわし始めた。 「未知さんは怪我をされた和泉さんの看病をするために来たんです。その辺は遥琉も分かってますよ」 「そうだといいんだけど………遥琉の愛妻家ぶりと、妬きもち妬きはかなり有名だからさ」 よほど心配なのかちらちらと何度も電話の方に目を向けていた。 「取り敢えず私たちもご飯にしましょう。柚原さん、先に食べてますよ」 「それはないだろう」 「じゃあ早く電話を切ってください」 橘さんに言われ渋々ながら一方的に電話を切る柚原さん。 『せめて未知の声くらい……ーー』 彼の声が虚しくスマホに吸い込まれていった。 「未知さん、遥琉が落ち着いた頃を見計らってメールでもしたらどうですか?」 「焼きもち妬きはほっとくのが一番」 「柚原さん、少し黙って頂けますか?」 「え⁉何で」 二人のやり取りを聞いていた和泉さんが思わず吹き出した。

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