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番外編 二人の幸せは僕と彼の幸せでもある
「裕貴と話しをしてくるだけだ。未知を置いてどこにも行かないから心配するな。何かあれば隣に橘がいるから声を掛けたらいい」
【え⁉橘さん?】
隣にいるのは和泉さんじゅないの?
首を傾げていると、さっと静かにカーテンが開いて、満面の笑みを浮かべる橘さんと柚原さんと目が合った。
「これで満足だろ」
「えぇ、朝から可愛らしい未知さんの声を聞かせて貰い満足しました」
穴があったら入りたいくらい恥ずかしいのに。ごく普通に会話を交わす彼と橘さん。どこを見ていいか分からなくて、タオルケットを頭から被った。
「そのペンダントにGPSと盗聴器が仕込まれているんだよ。鳥飼にスマホを奪われても未知の居場所が分かるようにってわざわざ特注で作らせたんだ」
子供たちと笑顔で朝ごはんを食べる彼を別のテーブルで眺めていた裕貴さんに思いもしなかったことを言われ和泉さんに持っていこうとした朝ごはんを思わず落としそうになった。
だから僕の居場所をすぐに突き止めることができたんだ。
鳥飼さんとの会話は全部彼に筒抜けで、
ラブホの話からガラス張りのお風呂まですべて彼に聞かれていた。
「それぐらい遥琉はお前に心底惚れているってことだ」
表情をを一切変える事無く裕貴さんはそう言うとブラックのコーヒーを一口啜った。
僕は……というと、顔から火が出るくらい恥ずかしくてただ俯くしかなかった。
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