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番外編 二人の幸せは僕と彼の幸せでもある

九鬼総業の連中が乗り込んできた、そう度会さんから彼のスマホに電話が入って、真っ直ぐ度会さんの家に向かった。 門の前には真っ黒いフィルムを貼った黒塗りの高級外車が何台も横付けされてあって、近寄りがたい物々しい雰囲気が漂っていた。 一太と遥香に危害が及ぶのを懸念した彼が橘さんに二人を託した。 ママたんと千里ママとうちでお利口さんにして待ってるんだぞ。二人の頭を優しく撫で笑顔で見送った。 子供たちと一緒にうちへ帰れ、そう言われたけど、゛菱沼組の姐さん゛としてどうしても彼の側にいたかった。 「たくお前は・・・・・付いてきても構わないがその代わり俺から絶対に離れるなよ」 一度言い出したら言うことを聞かない性格を一番よく知っている彼。だからか渋々ながらも同行することを許してくれた。 後ろに付いて広間に向かうと、度会さんと、恰幅のいい50代くらいの男性が睨み合いながら共に胡座をかいて座っていた。 「おぅ遥琉、悪いな呼び出して」 「留守をしていてすみませんでした」 「お前が組よりカミさんや子供が大事なことくらい分かる。まぁ、座れ」 手招きされ度会さんの隣に腰を下ろした。

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