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番外編 七か月後

「安心しろ、子供(ガキ)になんぞ興味はない」 くすりと苦笑いされて、次の瞬間にはミルクティーの甘い匂いがする逞しい二の腕にすっぽりと抱き締められていた。 「俺が興味があるのは未知、お前だけだ」 耳元で熱っぽく囁きながら、彼が力を込めてきた。 状況が上手く飲み込めず、動揺して、体を強張らせると、彼の腕がますます力強く絡み付いてきた。 【鳥飼さん嫌だ‼】 手足をバタつかせもがいた。 「何でそう嫌がるかな。俺は未知が、妊婦だったから我慢してきたんだ」 計り知れない情欲を孕んだ獰猛な眼差しで射抜く様に見詰められ、全身が凍り付いていった。 「喧しい女は苦手だ、未知みたいに物静かな子の方がいいって……前にもそう言ったはずだ」 鳥飼さんの視線が僕の肩越しに子供たちに向けられた。 「遥琉が羨ましいよ。可愛い妻と子供に恵まれて、誰もが羨む温かい家庭を築いて………俺には誰もいない……誰も……」 苦し気に眉を寄せ、自嘲すると吐き捨てた。 【鳥飼さんイヤだ‼】 ペロッと耳朶を舐められ、ぞくぞくと鳥肌が立った。彼以外の男の人に触れられ嫌悪感しかなくて、涙目になりながらいやいやを繰り返した。それなのに一切聞く耳を持ってはくれなかった。 そのまま畳の上に押し倒され、すぐに鳥飼さんの大きな体がのし掛かってきた。 手足をバタつかせて必死に抵抗したものの、両手首を鷲掴みされ、脚に彼の長い足が絡み付いてきて、あっという間に力ずくで身動きを封じられた。

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