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番外編 お祖父ちゃんとリーさん
「琥珀どういうつもりだ」
リーさんが怒りを滲ませじりじりと詰め寄った。
「女はまだしも、子供を人質にするなどもってのほか。オレ反対した。でも、浩然聞く耳持たなかった」
今まで片言の日本語で話していたのに。たどたどしいもののごく普通に会話をしていた。
「ハルちゃん、警戒しないで懐いてくれた。オレ助ける番」
琥珀さんの有無をいわせぬ気迫に気圧されたのか男が手の力を抜いた。その一瞬の隙を見逃さず、遥香を力ずくで奪い返すと片腕でしっかりと抱き寄せてくれた。
「こはくしゃんだ」
「う~ん、ちょっと違うけど、まぁいっか。よく頑張った」
「うん、こはくしゃんもがんばった」
にこにこと満面の笑みを浮かべる遥香の頭を優しく撫でてくれた。
「組織を裏切るのか」
「裏切る?浩然と父を騙し殺して、組織を乗っ取った癖に。浩然はもともと父の名前だった。オレ、播本さん信じる」
琥珀さんが男たちを銃で脅し付けて、あっという間に蹴散らしてくれた。
「オレの側離れない」
うん、頷いて太惺と心望を抱き寄せた。
真沙哉さんが騒ぎに気付き眉を吊り上げて戻ってきたのだ。一瞬だけ静まり返り一気に緊張に包まれた。
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