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番外編 焼きもちを妬いてばかりいる彼

「良かったな喋れるようになって」 先に包帯を巻き終えた柚原さんがシャツを羽織りながら声を掛けてくれた。 「はぁ?今何て言った。俺全然聞いてないぞ」 「優璃から聞いてないのか?」 橘さんから何も聞かされていなかったみたいで、かなりびっくりしていた。 でもすぐそのあとよほど嬉しかったのか涙を溢しながら泣き出した。男泣きなんてみっともないよな、そう苦笑いしながら……… 包帯を巻いていた看護師さんまで貰い泣きをはじめ、上澤先生も良かったな、本当に良かったと泣いて喜んでくれた。 「ママおはなし、できるの?」 恐る恐る一太が上目遣いに覗き込んできた。 うん、少しだけど………頷くと目を潤ませて、 「やったー!」 飛び上がるくらい喜びを爆発させた。 大喜びする一太とは対照的に彼の機嫌はますます悪くなっていった。 そんなに睨まないであげて。琥珀さんがいてくれたから遥香の命が助かったんだよ。真沙哉さんや組織を裏切ってまで僕達を助けてくれたから、こうして遥琉さんのところに帰ってこれたんだよ。目で必死に訴え掛けたけど、彼には逆効果だったみたいで・・・・ 「何で青蛇(チン シェア)のナンバー2のお前がいるんだよ」 しまいには食って掛かった。

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