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番外編 焼きもちを妬いてばかりいる彼
「昨日まで青蛇のナンバー2として真沙哉の右腕だった男を信用しろというのがまず無理だ。未知や子供達を守ってくれたことには感謝するが………」
そこで言葉を止めると苦しげに眉間に皺を寄せ、琥珀さんを睨むように見詰めた。
「琥珀はな、一太くらいの時に誘拐され、同じく誘拐された子供たちの世話を強要され、生きるためにはそれに従うしかなかった。表向きは本物の浩然の子供。でも実際は性玩具《オモチャ》として浩然や、幹部連中の肉便器………慰み物になっていたらしい」
お祖父ちゃんが彼に、琥珀さんが持っていた拳銃と、自分が持っていた折り畳み式のナイフを渡した。
琥珀さんの衝撃的な過去を知り彼も僕も絶句ししばし言葉を失った。
それから数分後、橘さんが迎えに来てくれた。
遥香は柚原さんよりも先に気が付いてパタパタと駆け寄り抱っこをせがんだ。
大好きなままたんに会えてようやく安心したのだろう、堰を切ったかのように涙が次から次に零れ落ちた。
「はるちゃんね、ままたんがいなくてさみしかった」
抱き上げてもらうと、手でシャツをギュッと握り締め、鼻先を擦り付けて甘える仕草をみせた。
「よく頑張りましたね、偉いですよ」
橘さんに頭を優しく撫でて貰うと、鼻を啜りながらはにかむような笑顔をみせた。
柚原さんは遥香に先を越されて、ちょっとだけぶすっとしていた。それを見たお祖父ちゃんに子供相手に焼きもちを妬くなんて大人気がないぞって冷やかされていた。
「シェ シェ ニ(ありがとうございます)」
琥珀さんがソファーからすくっと立ち上がって深々と頭を下げた。
二人はもともと知り合いだったのかな?首を傾げていると、
「た、ち、ば、な~~どういうことだ、説明しろ‼」
彼が声を荒げて橘さんに詰め寄った。
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