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番外編 焼きもちを妬いてばかりの彼

「先走りの蜜が上かも下からもどんどん溢れてくる。気持ちいいか?」 久し振りの夫婦水入らず。 全身くまなく見詰められて、恥ずかしくて、体が熱くて堪らないのに、彼が与えてくれる愛撫が心地よくて、気持ちよすぎて、じんじんしてくらくらする。 「何度でもイケばいい、ずっと側にいるから安心しろ」 宥めるようなキスの合間に、髪を優しく撫でられた。 快感に潤む瞳で上目遣いに見ると、にっこりと微笑んで優しく見詰め返された。 「大丈夫、一太も遥香も太惺も心望も、みんな親思いのいい子だ。お利口さんにして寝ててくれる。今だけでいいから、俺だけ見てくれ。頼むから」 熱を帯びた男らしい声にドキドキして心音が一気に跳ね上がった。 ちょうどその時だった。 枕元に置いてあったスマホがブルブルと振動したのは。はじめは無視して遣り過ごそうとしていた彼だったけど・・・ 「何で毎回毎回邪魔が入るんだよ」 静かになったと思ってもすぐにまたブルブルと震動するスマホを恨ましげに睨み付けた。 「やっと未知と二人きりになれたのに・・・・」 ガクンと肩を落とし、怨み節を口にしながらスマホに手を伸ばし耳にあてた。 「今取り込み中だ。あとにしてくれ」 『えぇ~~‼やぁだ~~‼』 甲高い声がスマホから聞こえてきた。 この声は千里さんのだ。僕が連れられたあと福井さんに協力を仰ぐ為に笹原さんのところに戻ったって、橘さんが教えてくれた。

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