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番外編 焼きもちを妬いてばかりの彼

「今何時だと思っているんだ」 『まだ宵の口でしょ。遥琉には用はないの。未知に代わって』 「はぁ?」 『はぁ?じゃないわよ。未知の声はみんなのです。一人占めは許さないわ』 『そうだよ遥琉。みんな未知の声が聞きたいってわざわざ集まっているんだからさぁ』 あっ、心さんの声だ。 「いちいちそんなので集まる必要ないから」 眉間に皺を寄せ、イライラし始める彼。 「それに未知の声を酒のつまみにするなって、そこにいる酔っ払い共に言っておけ」 『こんなの呑んだうちに入らねぇよ』 『あぁ序ノ口だ』 裕貴さんに笹原さんまでいる。 「遥琉さん」のろのろと体をゆっくりと起こした。 「みんなに、お礼………言いたい」 『おっ、未知の声か?』 『やぁん、もう、かぁいい!』 電話の向こうから賑やかな声が聞こえていた。 「分かった5分以内な。一気に喋ると疲れるから無理だけはするなよ。風邪ひいたら大変だから、何か羽織るもの持ってくる。待ってろ」 素肌にシャツだけ羽織って僕の服を取りに行ってくれた。 いつも我が儘を聞いてくれてありがとう・・・・

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