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SS 遥香と琥珀さん

柚原さんら幹部に説得され、渋々ながらも琥珀さんと盃を交わした彼。 マカオやシンガポールなどの東南アジアの裏社会で暗躍するマフィア・青蛇のナンバー2まで上り詰めた琥珀さん。そんな彼に、弓削さんが言い渡したのは、部屋住みとして一からやり直すことだった。 柚原さん曰く「嫌がらせか!」普通ならぶちギレてちゃぶ台をひっくり返すのに(ちゃぶ台はうちにはないけど) 琥珀さんは不平不満を一切口にせず、決意の証しとして腰まであった長い髪をバッサリと切り、部屋住みとして、遥香専用の弾よけ兼僕たち親子の身の回りの世話を二つ返事で引き受けてくれた。 「ママのおひざ、ハルちゃんだいすき。こはくしゃんは?」 「寝心地、いいです」 「でしょ、でしょ」 左の膝を枕代わりにしてソファーに横になっているのは遥香。右の膝を枕代わりにして横になっているのは琥珀さん。落ちないように器用に長い脚を折り畳み、「マー(中国語でお母さんみたい)」と呟きながら甘えるような仕草をみせながら丸くなっている。 遥香のお昼寝タイムに、何故か琥珀さんも交ざるようになって早数日。 遥香と一緒に絵本を持ってきて、これも読んで欲しいと頼まれれば無下に断る訳にもいかなくて。 優柔不断な僕が一番悪いんだけど。 ごめんね、遥琉さん。 イライラさせて・・・・・ 「おい琥珀!」どんなに怒鳴られても動じない。しまいには、 「ブー ヂー ダオ(ワカリマセン)」しれっとして答え寝たフリを決め込む琥珀さん。

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