484 / 3640

Thanks!SS 愛人と情人

「琥珀さん、また未知さんに甘えているんですか?遥琉が戻ってくる前に離れないとまた大騒ぎになりますよ」 お風呂上がりの心望を橘さんが抱っこし、太惺を柚原さんが抱っこしてキッチンに顔を出した。 「マー離れたくない」 背中にしがみついたままブンブンと首を横に振る琥珀さん。 実際は僕より彼の方が2つ年上みたいなんだけど…… 「度会に誰か紹介して貰ったらどうだ?」 「俺まだ………」 琥珀さんの心の中にはまだ真沙哉さんがいる。忘れようとすればするほど想いは募る一方で。一番辛いのは琥珀さん自身。 何も出来ない自分が不甲斐なかった。 「てっとり早く森崎と付き合ったらどうだ。アイツなら中国語が分かるし、お前より一回り年上だし、甘えさせてくれるんじゃないか?」 「森崎って……えっと……」 誰だっけ?首を傾げる琥珀さん。 「俺が留守なのを狙って、人の女房のベットに潜り込んでくる不埒な野郎だ」 柚原さんがチラッと橘さんの方を見た。 目が合うなりごほんとわざとらしく咳払いをし、頬を赤く染め顔を逸らしてしまった。 いつもなら、そんな関係じゃありませんよ。笑って一蹴するのに。 もしかして橘さん、森崎さんと………

ともだちにシェアしよう!