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番外編 すべては23年前に勃発した内部抗争
「未知会いたかった」
どこか切なそうに眉を寄せ静かに見詰められた。引き寄せられるように身動ぎすら出来ないでいたら、もう片方の手がすっと伸びてきた。
(と、鳥飼さん・・・・!)
てっきり頬に触れてくるのかと思い身構えたら、その手は僕の頭にそっと置かれ、そのまま優しく髪を撫でられた。
「良かったな、喋れるようになって」
「おい!」彼が声を荒げその手をガシッと乱暴に掴むと僕の頭から力ずくで引き離した。
「少しぐらいいいだろう。新参者のソイツは良くて何で俺は駄目なんだ」
琥珀さんにチラッと視線を送る鳥飼さん。
目が合うなり睨み付けた。
「好可爱的···我喜欢了(ハオ カーアイ…ウォ シーファンラ)」
琥珀さんも怯むことなく、負けじと睨み返した。
「中国語なんて分かるわけないだろうが。嫌がらせか?」
「マーは、みんなのマー。一人占め駄目」
「はぁ?」
苛立ちを露にする鳥飼さん。
「リーや真沙哉のペットだった癖に……随分と偉そうだな」
しまいには痛烈な一言を浴びせた。
「ペットじゃないよ」怒りに震えながら飛び掛かろうとした琥珀さんを、
「子供の前だ場所をわきまえろ」
そう窘めて彼が引き留めてくれた。
「ちょっと待て」睦さんが慌てて鳥飼さんに駆け寄った。
「琥珀はもう青蛇のナンバー2じゃない。菱沼組の人間だ。なぁ鳥飼、ここでやり直すって、再出発するって言ったよな?それならまずは謝るのが先だろう。違うか?」
「睦さん……」
宥めれてようやく冷静さを取り戻したみたいで、琥珀さんに素直に悪かった言い過ぎたと謝ってくれた。
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