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番外編 かけがえのない家族との再会
「喧嘩している場合じゃあないだろう。リーがいつ行動を起こすか分からない状況だ。九鬼総業や、行き場がない湍水組の下っ端連中はこぞってリー側に付いた。鳥飼、睦、お前らは元々九鬼総業の人間だ。マチガイが起きれば親兄弟を敵に回すことになる。刺し違えるくらいの覚悟は出来ているんだろうな」
「あぁ勿論だ」
鳥飼さんの表情が引き締まった。
睦さんも、九鬼の家から出た時点で親子の縁は切ったときっぱりと断言した。
僕になるべく鳥飼さんを近付けさせたくない彼は、鳥飼さんを度会さんに預け(というかムリムリ押し付けた)睦さんの面倒は根岸さんがみることになった。はじめて出来た弟分に颯人さんは、
「兄貴、兄貴と呼ばれると何だか背中がむず痒くて仕方ない」
戸惑いながらも何だか嬉しそうだった。
ゴールデンウィークに入りすぐに彼の実家に帰省した。いつなんどき、何があるか分からない状況。彼には頼むから大人してくれって何度も言われたけれど………どうしても太惺と心望をお義父さんや那奈姉さん、それに縣さんにも会わせたかったから、何度も何度も彼と話し合い説得した。
「たく、お前は……一度言い出したら聞かないんだから」
やれやれと深いため息をはき、渋々ながらも最後は折れて一泊だけ帰省を認めてくれた。
乗客でごった返す新幹線のホームに下り立つと心さんと千里さんが笑顔で出迎えてくれた。十人近い弾よけの舎弟が周囲を警戒しながら僕たちをぐるりと取り囲んだ。
揃いも揃って強面の大男ばかり。ぴりぴりとした物々しい雰囲気に、回りの乗客はあえて見ないフリをして足早に通り過ぎていった。
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