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番外編 かけがえのない家族との再会

「あっ!いちたのじいじだ~~」 黒光りする大きな門の前でお義父さんが腕を前で組み出迎えてくれた。先に福島を出発した颯人さんと琥珀さん、それに睦さんも一緒に迎えてくれた。車から下りるなり一太がお義父さんめがけて走っていった。 「おぅ一太。元気だったか?」 「うん!じいじは?げんき?」 「儂はこの通りピンピンしておる。若い者には負けん」 「じいじ、いちたがいなくてさみしかったでしょう」 「あぁ寂しかったぞ」 「どんくらい」 「そうだな、このぐらいかな」 両手を大きく広げて見せると、一太はニコニコと笑ってお義父さんの胸元に飛び込んでいった。 「親父さん、30分以上前からここでうろうろしながら首を長くしてずっと待ってたんですよ」 颯人さんが彼の耳にそっと告げた。 「なんだかんだといって孫に会うのを一番楽しみにしているのは親父なのかのかもな。そういえば颯人、琥珀や睦をみんなに紹介出来たのか?」 「はい。父が前もって組のみんなに琥珀や睦のことを説明してくれたみたいで………親父さんが、琥珀にちょうどいい見合い相手がいるって言ってました」 「ちょうどいい相手って誰だ?親父、何か言ってたか?」 「いいえそれ以上は何も」 「そうか」 琥珀さんに目を向けると、遥香と手を繋ぎ嬉しそうにニコニコと笑っていた。 「人に言えないくらい辛い想いをしてきたんだ。誰よりも幸せになって貰わないと」 「ただ単に未知を一人占めしたいだけだろうが。違うか遥琉」 大勢の舎弟を引き連れて、裕貴さんが門を潜り姿を現した。 「未知の膝の上に誰が寝るかで、琥珀と鳥飼と喧嘩して、一太や遥香に、喧嘩はだめって注意されているって聞いたぞ」 「五月蝿いな」 早速耳の痛いことを言われムスッとし不貞腐れる彼。 鳥飼さんはそうやすやすと僕のことを諦めてはくれなくて。彼がいない隙を狙ってちょくちょく姿を見せ、琥珀さんと同じように甘えてくるからかなり困ってる。

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