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番外編 琥珀さんと鞠家さん

「いい加減未知から離れろ」 「やだ」 深夜1時過ぎ。太惺と心望のオムツを交換し、おっぱいとミルクをあげて寝かし付け、寝ている彼を起こさないようにそぉーと隣に潜り込むと、琥珀さん・・・・じゃない紗智さんまで布団に潜り込んできた。鳥飼さんみたくあちこち触る訳でも、悪戯をする訳でもなく、ただ背中にしがみつき、甘えるように鼻を服に擦り付け、頬を擦り擦りしていた。 一つの布団に大の大人が3人。前は彼、後ろは紗智さんにサンドされ、狭い上に窮屈で身動きすら出来なくて。 何でこんなに暑苦しいんだ、ボヤきながら目を覚ました彼は、視界に紗智さんを捉え怪訝そうに表情を強張らせた。 「寂しくて寝れない。一人はイヤだ」 「はぁ⁉24にもなって子供みたいな事を言うな」 「マーいい匂い。俺この匂い好き」 「人の話しをちゃんと聞け」 愉しそうにムギッと抱き付き顔を埋める紗智さんを見ているうち怒る気が失せたのか、やれやれと深いため息をつき、肩を静かに抱き締められた。 「一人だと、昔思い出す。だからやだ」 ピタリと隙間なく密着しズズと鼻を啜った。 「あのな紗智、未知は俺の……」 「分かってるよ、分かってる」 彼が相手だとまるで駄々を捏ねる子供のようだ。

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