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番外編 琥珀さんと鞠家さん
「遥琉さん、待って………」
「だってなかなか二人きりになれないんだぞ。お陰で欲求不満が溜まる一方だ」
後ろで丸くなって熟睡している紗智さんを気にしながら、耳朶やこめかみ、目蓋や鼻先に彼の唇が触れてきた。
「未知は俺が嫌いか?」
今にも泣き出しそうな眼差しで瞳を覗き込まれた。
嫌いな訳がない。ママになっても何ら変わらず愛してくれる。大事にしてくる。そんな彼が大好きだもの。
ブンブンと首を横に振った。
「良かった」
結婚して3年経つのに、毎日彼に恋をして、ときめいて、見詰めただけでドキドキが止まらなくなる。
「愛してるよ未知」
あまりの格好よさに見惚れていたら、彼の顔がぐいぐいと近付いてきて、唇に彼の口唇がゆっくりと重なってきた。
「遥琉さん、ダメって」
彼の手が服の上からお腹の辺りを撫でてきて、指先が服の中に入ってきたから慌てた。
「紗智さん起きちゃうから」
服を手で押さえ首を横に振った。
「何で駄目?」
彼がムスっと面白くなさそうに不貞腐れていると、「うっ……ん」紗智さんがもぞもぞと動きはじめた。
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