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マル暴の男

「俺は姐さん専属の弾よけだ。姐さんの側を離れる訳にはいかない」 睦さんが次に目を覚ました時、一番側にいて欲しい人が居てくれたらどんなに心強いか。 彼や裕貴さんが颯人さんにここに残って睦さんに付き添ってやれ、そう何度も説得したけれど頑として首を縦に振らなかった。 「俺、この命マーに捧げる。だから、残れ」 「表に出るつもりか?須賀井っていうデカにマークされているんだろう」 「俺、マーやオヤジさんに恩ある。仇で恩返すなっていう」 「それをいうなら恩を仇で返すなだ」 伊澤さんともう一人。 車の中で待機してて姿を見せることはなかったけれど須賀井という刑事さんも一緒だったみたい。 紗智さんの話しでは、青蛇の幹部を執拗なまでに追いかけ回していた刑事さんみたいで、仲間内ではスネークハンターと呼ばれ恐れられていたらしい。 その二人がいなくなり、紗智さんもようやく離れから戻ってくることが出来た。 睦さんは颯人さんの服にしがみつきまるで小さな子供のように泣きじゃくりながらずっと鳥飼ごめん、お前を巻き込んだのは俺だ。俺に関わったばかりにお前の人生狂わせた。そればかりを譫言のように繰り返していた。 ようやく落ち着きを取り戻したのはそれから1時間後。泣き疲れたのか今はすやすやと眠ってる。

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