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番外編 神隠し

「未知ありがとうな、他所の組のことまで心配してくれて」 あっこの声・・・・・ 聞き覚えのある懐かしい声の持ち主は、そうだ鷲崎さんだ。彼の隣には七海さんが寄り添っていた。 声を出す間もなく気が付いたら七海さんにすっぽりと抱き締められていた。 「赤ちゃん産まれたって聞いて、喋るようになったって聞いて、すごく会いたくて会いたくてしょうがなかった。未知おめでとう、良かった」 七海さんは声を震わせ自分のことのように喜んでくれた。 「七海さん」声を掛けると、 「未知が本当に喋ってる」感極まり目蓋からは涙が溢れた。 「組を留守にして大丈夫何ですか⁉」 「あぁ。うちには森崎っていう有能な本部長がいるからな。誰かさんに見向きもされない。可哀想だと思わないか?」 にやり笑って橘さんの顔を見た。 「わざわざそれを言いに来たんですか⁉随分と暇ですね」 橘さんは全く動じなかった。 「悪かったな暇で。遥が拉致されたって聞いて新幹線に飛び乗ったんだ。まぁ一応弟だし、甥の嫁だし・・・・・」 直矢くんがいて気恥ずかしいのか、視線が宙をさ迷っていた。 「鷲崎さん、本当の事を言ってください。弾よけもつけずわざわざここに来た理由を」 橘さんが怖い顔付きで鷲崎さんに詰め寄った。

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