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番外編 青蛇VS黒竜

ふぇ~~ん ふぇ~~ん まず太惺が火が付いたように泣き出して。 まま~~! まま~~! 怖い夢でも見たのか、次に遥香が急に泣き出した。 「先月も結局最後まで出来なくて、今日こそはと思ったのに・・・・・」 恨み節を口にしがっくりと肩を落とした。 先月は・・・・そうだ心望が、急に目をぱっちりと開けて、彼と目が合うなり、キャキャと声を出して笑い出して。その笑い声に太惺や遥香がなぜか反応して目を覚ました。 避妊の為にゴムを付けるように橘さんに言われた彼。装着するのに手こずり、入れるのに手こずり、ようやく胎内にはいった直後、タイミングを見計らったかのように三人が目を覚ましたんだっけ。 静かに指を抜くと、 「ママに戻っていいよ。俺は会合に戻るから」 服を直してくれて、柔らかく微笑むとおでこにチュッと軽く口付けをしてくれた。 「遥琉さん」 思わずシャツの裾を掴んだ。 「すぐ戻ってくるから子供達と待ってろ」 にっこりと微笑むと、今度は唇に口付けをしてくれた。然り気無い彼の優しさが身に沁みるようですごく嬉しかった。 遥香の泣き声に紗智さんが駆け付けてくれて。三人が泣き止むまで30分近く掛かってしまった。 「そのままハルちゃんに添い寝してあげてください」 服にしがみついたままやっと眠った遥香を起こさないようにそぉーと起きようとした紗智さんを橘さんが止めた。

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