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番外編 一太と地竜(ディノン)さん
勢いよくシャツを脱いだ真沙哉さんにドキリとして体が震えた。
厚みを感じさせる胸板。腕や胸の引き締まった筋肉が逞しくて、直視するのが恥ずかしくて思わず視線を逸らした。
「意外と恥ずかしがり屋なんだな。可愛い」
「どこが可愛いの」
悪態をつくマーナオさん。
さっきからずっと僕を睨み付けている。
一太はベットに寝転がり子供番組を夢中になって見ていた。
太惺と心望はちょっと狭いけどベビーカーで一緒にねんねしていた。
朝御飯のあとマーナオさんに、真沙哉さんの体を拭いてと頼まれた。
拒めば間違いなく一太たちに危害が及ぶ。
マーナオさんの機嫌を損ねないように言う通りにした。
「そんなに珍しいか?」
「いいえ」
平静を装い慌てて首を横に振った。
肩口から背中にかけて羽を大きく広げた鷲の刺青は、現役だったころを彷彿とさせるくらい男らしさが溢れていた。
「なぁ未知」
言いにくそうに真沙哉さんが口を開いた。
「地竜とその…………つまり………」
「どこかの尻軽女と一緒にするな」
部屋の隅に控えていたダオレンさんがボソッと呟いた。
「お前には聞いてない」
マーナオさんが目を吊り上げ話しに割り込んできた。
「マーナオお前こそ黙ってろ」
ダオレンさんも負けじと睨み付けた。
「未知や琥珀の方がお前よりまだマシ」
「はぁ⁉」
「琥珀を手離した。それが浩然の間違い」
「ダオレン‼」マーナオさんが怒りを露にし声を張り上げた。
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