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番外編 僕がこうして生きてこれたのはみんなのお陰、だから、今度は僕がみんなを守る

『もしかして未知か?未知なんだよな?』 息を切らしながら彼が電話に出てくれた。大好きな彼の声に大粒の涙が次から次に、堰を切ったかのように零れ落ちた。 気づかれる前に電話を切らなきゃ。 履歴を消さなきゃいけない。とにかく時間がない。 涙をごしごしと手の甲で拭いながら、 「黒竜に追い詰められたリーさんが菱沼組を襲うって。紗智さんを拐って道連れに一緒に死ぬって。遥琉さん、お願い、みんなを守って…………僕は大丈夫だから、安心して。遥香を………頼みます。遥琉さん、こんな僕と一緒になってくれてありがとう」 「おい未知!待て‼」 一方的に話して電話を切り、すぐにスマホを操作し履歴を消し、もとあった場所に戻した。 「ダオレンさん、地竜さんに伝えてください」 様子を見に来た彼に意を決し声を掛けた。 「何だ?」 「上海へあなたと一緒に行きます。一太と太惺と心望をあなたの子供として育てます…………その代わり、真沙哉さんとマーナオさんをこのまま日本で生活させてあげてください。それと、菱沼組には今後一切手を出さないでください。菱沼組は僕の家なんです。幹部や組員はみんな家族も同然………ダオレンさん、地竜さんにそう伝えてください、お願いします」 溢れてくる悔し涙を必死で堪え頭を下げた。 「………」 ダオレンさんは何も答えず、ベッドの上に目を向けた。 「浩然聞いたか?」 え?今なんて? 聞き間違いじゃないのかと自分の耳を一瞬疑った。 「いい加減狸寝入りは止めろ」 ダオレンさんの苛立った声に、真沙哉さんがゆっくりと上体を起こした。

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