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番外編 裏切ることは絶対に許さない

警戒心を露にし出された夕食にも手を付けなかった一太。 パパのところにいつ帰れるの?何でおうちに帰れないの?と泣き出した。 一太の泣き声に反応し、太惺と心望もわんわんと泣き出した。 宥めても何をしても泣き止まなくて。困り果てていると地竜さんが寝室に入ってきた。 「昨日から泣いてばかりだな……」 手を付けた形跡のない夕食を見るなりため息をつく地竜さん。 「いやだ!はなして!」 手足をばたつかせ必死に抵抗する一太を有無をいわさず片腕で軽々と抱き上げると、カーテンをさっと引いた。 「止めて!」最悪の事態が頭を過り思わず声をあげた。 「高層階の窓は開かないようになっている。安心しろ。一太に夜景を見せたいだけだ」 くすりと苦笑いすると「ほら綺麗だろう」優しく声を掛けながら背中を擦ってあやしはじめた。 「浩然はな、ママの写真をお守り代わりに肌身離さず持ち歩いていた」 窓の外を眺めながらポツリと呟く地竜さん。 「部下に命じ撮らせたのだろう。一太の弟と妹達を守るように抱っこして眠るママはまさに天使そのものだった。あどけない寝顔はとても愛らしくて可愛かった」 しゃくりあげながら鼻を啜りながら地竜さんをじーと見詰める一太。 「頑固なところも意思の強そうなその目もパパ譲りか?一太はパパが好きか?」 「うん!いちた、パパがね、だい、だい、だいすき!」 ぱぁ~~と一太の表情が一瞬で明るくなった。 「そうか………出来ることならパパに出会う前にママに会いたかったな」 寂しそうに口にすると押し黙ってしまった。

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