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番外編 裏切ることは絶体に許さない

「………動くな、こっちは寒いんだ」 「太惺と心望のオムツを交換して、ミルクあげないといけないから」 「ちゃんとここに戻ってくるか?戻ってくるなら離してもいいが」 背中に抱き付く地竜さんがわざと腕に力を籠めてきた。 「あ、あの……お願いですから、離してください」 まるで蛇のように腰に巻き付く彼の腕を何とかして振りほどこうと布団の中で手足をジタバタさせたけれど、びくともしなかった。 お腹を空かせた二人がふぇ~~んふぇ~~んと大声で泣き出した。 オムツも濡れてて気持ち悪いんだと思う。だから尚更機嫌が悪い。 「地竜さん」 ありったけの力を込めて腕を強く押した。 「仕方ないな。分かった」 渋々ながらも腕を離してくれて。 それまで隙間なくピタリとくっついていた体が背中から静かに離れていった。 彼や橘さん以外のおとこの人の前で胸を晒す事に躊躇した。何か目隠しになるものはないかと部屋の中をキョロキョロと見渡したけれど代用出来るようなものは見当たらなかった。 「浩然と違い、覗き見の趣味はない。安心しろ」 広くて大きい背中にクスリと苦笑された。 太惺におっぱいをあげ、心望にミルクをあげて、ゲップをさせようと太惺の背中を擦っていると、腕がぬっと現れて……… 「ぢ、地竜さん!」 慌ててはだけた胸元を片手で隠した。 「ディノンだ」 心望を縦に抱っこし慣れた手付きで背中を擦りゲップをさせてくれた。

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