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番外編 裏切ることは絶体に許さない
「お願いだから止めて!」
両手を広げ、ねんねする太惺と心望を守ろうと男の前に立ち塞がった。
一太のも駄目!と大きな声を上げて二人のもとに駆け寄った。
「歩けない赤ん坊は足手まといになる。邪魔だ」
男は無表情のままそれだけ口にするとナイフを高く掲げた。
「不好 了!(大変だ!)」
息を切らし若い男が駆け込んで来た。
「どうした?」
地竜さんの問い掛けに男は早口で答えると、血相を変えリビングの方を指差した。
「張、赤ん坊の始末は後回しだ」
地竜さんが上着の内ポケットに手を入れ拳銃を取り出すと引き金に指を置いた。
「なんだてめぇーは?」
「出でいけ‼」
「出去‼(出ていけ‼)」
日本語と中国語で男達の怒号が飛び交いにわかに辺りが騒々しくなった。
「大人しくしていれば危害は加えない」
ダオレンさんが僕達に銃を向けた。
「今の若い連中は威勢ばかりは一人前だな」
尖り声で叱りつける声に聞き覚えがあった。
一太もその声が誰かすぐに気が付いて、それまで強張っていた表情が一気に緩んだ。
「誰だお前らは?」
地竜さんや男達が一斉に銃を構えているにも関わらず、毅然とした態度で姿を現したのはーー
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