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番外編 思いがけない再会
「ーーお義父さん、千里さん………」
思いがけない再会に驚き嬉し涙が溢れた。
「おじいちゃん、せんりおねぇちゃん」
一太もようやく安心したのだろう。
笑顔が零れた。
「年寄りが出る幕じゃない。引っ込んでろ!」
「はぁ?誰が年寄りだって?」
お義父さんの目付きが変わった。
「70代まだまだ人生これからだ。年寄り扱いするんじゃねぇ。儂は、年寄り扱いされるのが大嫌いなんだ」
現役時代を彷彿させるドスのきいた低い声が響いた。
「儂は龍一家の卯月上総だ。嫁《むすめ》と孫達を返して貰おうか?」
地竜さん達をジロリと鋭く睨み付けるお義父さん。
「か弱い女の子と、子供に銃を向けるなんて本当最低。ちょっと聞いてる?」
千里さんもダオレンさんを睨み付けた。
「何者だ?」
「アタシ?笹原千里よ。未知の姉です。一応こう見えても、昇龍会の次期跡目よ」
「はぁ?嘘だろう。お前らみたいな年寄りと女に何が出来る?」
地竜さんが二人をバカにするように鼻先でせせら笑った。
「そうやって目上の人間をバカにしているとそのうち痛い目にあうぞ。それに千里はあの播本が福井の後継者と認めた女だ。バカにするな」
男の首根っこを鷲掴みにし、こめかみに銃を突き付けて姿を現したのは度会さんだった。
「うちの娘と孫達を随分と可愛がってくれたみたいだな。娘の旦那は焼きもち妬きでな、押さえるこっちの身にもなってくれ」
地竜さん達の足元に男を放り投げると、
「阪井組(よそ)の縄張りでドンパチする気はないんだよ」
部屋の空気を緊張させる荒々しい声をあげた。
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