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番外編 思いがけない再会
「だから何だ?」
地竜さんが丸腰のお義父さんに銃口を向けた。
「撃てるものなら撃て」
一切怯むことなく地竜さんを睨み付けるお義父さん。
近寄り難いその雰囲気に周りの男達が気圧され、思わず一歩後ろへと下がった。ダオレンさんも勝ち目がないと踏んだのか、静かに銃を下ろした。
「息子はバカが付くくらい家族想いで、バカが付くくらい手下や兄弟想いで、それよりも何よりも………一番の愛妻家で、バカが三つつくくらいの焼きもち妬きだ。それぐらい未知を誰よりも愛している。息子や播本が乗り込んできたんでは、口よりおそらく先に手が出て、余計に拗れるだろう。黒竜さんや、穏便にいこうや」
「………黒竜 の、地竜 だ」
「おぅそうか。それは悪かったな」
地竜さんは視線を外すことなくお義父さんを見据えた。
「千里、未知達を連れていけ。地竜さんに話しがある」
大きく頷いた千里さんが駆け寄ってくれた。
「未知、よく頑張ったわね~~さすが、アタシの妹。一太もよく頑張ったわね。偉いわ~~さすが、お兄ちゃんね」
両手を大きく広げてムギューと抱き締められた。
「せんりおねぇちゃん、いちたがんばったよ」
「下でパパや茨木のおじいちゃんが待ってるわよ。帰ろっか?」
「うん!」
彼やお祖父ちゃんが待ってると聞くなりニコニコの笑顔になる一太。
彼が迎えに来てくれた。
それにお祖父ちゃんまで…………
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