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千思万考
阪井組の組長さんに挨拶をしてから帰路についた。お祖父ちゃんとお義父さんに話しがあるからと言われ組事務所に真っ直ぐ向かった。
子供達は彼と千里さんが先に家に連れていってくれた。
「二日後、真沙哉は伊澤と鞠家に付き添われ警察庁に移送されることになった」
開口一番、お義父さんにそう言われ言葉を失った。
タクシーの運転手さんが警察官に、監禁されている人が他にいるかも知れないと話した事から、警察が隠れ家に急行し、真沙哉さんとマーナオさんを保護した。
真沙哉さんの今の姿を見た鞠家さんと伊澤さんは茫然自失となった。
『俺が何をしてきたか、包み隠さず正直に話して欲しい』
驚いて声も出せない二人に真沙哉さんは頭を深く下げ頼み込んだ。
鞠家さんと伊澤さんは、迷った末すべてを真沙哉さんと、彼に寄り添うように付き添っていたマーナオさんに話した。
冷酷無比で、自分の欲望のためなら人を簡単に殺める。女、子供にも一切容赦がない。
実の弟でさえ道具としてしか見なかった。
卯月真沙哉として関わった事件と、李浩然として関わった事件で、国際指名手配されていることをすべて。
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