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番外編 閨怨
幸せオーラを振り撒き、のろけて照れまくる紗智さん。鞠家さんと上手くいってるみたいで本当に良かった。
二人と談笑していたら、上澤先生も千鳥足で様子をそぉーと見に来てくれた。
「あ、あの………えっと………」
聞きたいことは山のようにあった。でも、聞くのが怖くて、毛布をぎゅーっと掴んだ。手の震えがなかなか止まらない。
「遥琉や橘から聞いた出血の量からして恐らく流産はしていない。呑んだくれのやぶ医者かも知れないが、こう見えても半世紀近く産科医をしてきたんだ。儂の見立てに間違いはない」
「じゃあ、あの………」
嬉しさのあまり声が裏返ってしまった。
「詳しくは検査をしないと分からないが、4週目くらいだろう。だがまだ安心は出来ないぞ。子宮外妊娠の可能性もじゅうぶんにあるからな」
お酒の匂いをぷんぷん漂わせている上澤先生に、鞠家さん、おぃ本当に大丈夫なのか?って心配していた。
僕や子供達が日頃からお世話になってる主治医の先生だもの。どんな些細なことでも親身になって相談に乗ってくれるもの。
ゆっくりと起き上がって「上澤先生、ありがとうございます」頭を下げた。そしたら何かを思い出したみたいで、くくくと急に笑い出した。
「未知は若いのにしっかりしている。それと比べたら遥琉は・・・・・困ったものだ。そういえばさっき娘にみっちりと説教をされてかなり凹んでいたぞ。まさに青菜に塩だな」
「青菜に塩?」
紗智さんが首を傾げた。
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