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番外編閨怨

「たく泣き過ぎだ」 苦笑いを浮かべながら彼も同じ布団にごそごそと潜り込んできた。 一太を後ろからそっと静かに抱き締めてくれた。 「パパ、くすぐったい」 「別に擽っていないだろう」 耳に息が触れるのが擽ったいのか身体をくねらせ、キャキャと黄色い声をあげはしゃぐ一太。そのあと、たくさん彼に構ってもらいすごく嬉しそうだった。 「あのねパパ」 「ん?何だ?」 「いちたのパパになってくれてありがとう」 ニコニコと満面の笑みを浮かべる一太。 屈託のないあどけないその笑顔に、彼まで涙目になってしまった。 「いちた、パパがだいすき!おっきくなったら、パパみたいにつよくて、かっこいいひとになる!」 「おぅ、パパも一太が大好きだ」嬉しさのあまり涙声になっていた。 「だいじょうぶ、パパ?」 布団の中で懸命に背伸びをして、彼の顔を心配そうに覗き込むと、頭を撫で撫でしてくれた。泣くなんてみっともない、独り言を口にし苦笑いしながら、一太をぎゅーーっと強く、そして優しく抱き締めてくれた。 「泣き過ぎなのはあなたの方です」 「優璃の言う通りだ」 「仕方がないだろう」 すっかり眠気が飛んでしまった一太を四苦八苦しながらやっと寝かし付けてくれた彼。 そのあとリビングで橘さんと柚原さんに冷やかされていた。

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