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番外編閨怨

「卯月さん、その手を汚せば、未知さんや子供達が路頭に迷うことになるのよ。それでもいいの?」 「先生・・・・・」 はっとして我に返り、南先生の顔を見つめた。 「未知さんのおなかには、新しい命が宿ってるのよ。懸命に生きようとしている小さな命を守るのが父親であるあなたの役目でしょう。違う?」 先生に諭されて、ようやく落ち着きを取り戻した彼。悪いな、みっともないところを見せて。自嘲しながら、大丈夫か?僕やおなかの子を気遣いながら、ゆっくりと体を起こしてくれた。 「事情を聞かせてください」 目付きの鋭い男性が二人、姿を現したのはそれから30分くらい経過したあとだった。 「李真珠とはどういう知り合いで?」 やっと胸の動悸と体の震えが止まったばかりなのに……ようやく家に帰れる思っていたのに…… 「菱沼組の姐さんは体調が悪い。俺とオヤジが代わりに説明する。それじゃダメか?ハチ、タマ」 鞠家さんが颯爽と姿を現した。 「良かった間に合って………未知、よく頑張ったな。子供達は紗智と、柚原、度会さん、紫さんがみててくれている。四人とも駄々を捏ねずお利口さんにして留守番をしているから、安心しろ」 一番気掛かりだった子供達がみな元気でいると知ってホッと胸を撫で下ろした。 「おぃ鞠家。俺ら犬じゃねぇんだ、いい加減名前で呼べ」 「たく、相変わらず変な呼び方しやがって」 どうやら2人の刑事さんは鞠家さんと知り合いのようだった。

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