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番外編 閨怨

「千里さんと元々知り合いだったの?」 恐る恐る那和さんに聞いてみた。 「名前だけ。リーが千里という名前のストリッパーにいれこんでいるって聞いていた。スポンサーになるから愛人になれって言っても、夫がいるからと頑なに首を縦に振らなかった。だからおばさん、千里に対抗意識を持って整形を繰り返し、体をあちこち弄った。それでーー」 「那和、もういい」 那和さんと話をしていたら、彼と鞠家さんが戻ってきた。 蜂谷さんと玉井さんに、しつこく何度も同じことを聞かれたみたいで、二人ともやれやれとため息をついていた。 「遥琉さん、鞠家さん、あの・・・・・」 「李真珠は全国に指名手配された。でもそれはあくまで、黒竜から彼女を守るためだ。黒竜は、リーの莫大な隠し財産のありかを知っている真珠を血眼になって探している。真珠が産んだとされる二人の子供も行方不明のままだ」 「そんな・・・・・」 「子供には何ら罪はない。可哀想だが、俺たちにはどうすることも出来ない」 彼が力なく肩を落とした。 僕や子供達を、それに紗智さんや那和さんを、これ以上危険な目に遭わせるわけにはいかないと彼ーー 蜂谷さんや玉井さんからも、相手はあの黒竜だ。何をするか分からない危険な連中だ。真珠を誘き出すため、間違いなくカミさんや一太を狙ってくるはずだ。そう忠告されたみたい。 悩みに悩み、橘さんや度会さんらと何度も話し合って。ある決断を下した。 その決断とは・・・・・・

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