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番外編 君を、愛していると言ったはずだ
「黄 のことは気にするな。未知、歩きながら話しをする。遥香、おじちゃんにちゃんと掴まっていろよ」
「はぁ~い」遥香が右手を挙げた。
人見知りしてギャン泣きして地竜さんの態度が急変したら……と思うと気が気じゃなかった。
「そんなに警戒しなくても、取って食おうなんて考えていない」
心の内を看破され、クスッと苦笑いされた。
「未知や子供達をこれ以上巻き込まないでくれと仲間に頼んだ。だが、誰一人聞き入れてはくれなかった。今回の件を主導したのは紫竜だ。どうしたら未知や子供達を守れるか考えた」
そこで言葉を止めると、空いている片方の手をポケットに入れて何かを取り出した。
「マフィアにも守らないといけない血の掟がある。無論、俺達黒竜 にもだ。その中に、仲間の妻に手を出してはいけない。妻を尊重しなければならないとある」
手渡されたは細かな装飾が施されたシルバーに輝く腕輪だった。
「夫以外の男から贈られたものを身に付けるのはヘドが出るくらいイヤだと思うが、これを身に付けている限り未知は゛黒竜の地竜の妻゛ということになる。紫竜らも君に危害をくわえることは出来なくなる」
「地竜さん、何で………?嘘がバレたら………」
「どうなるかは承知の上だ」
急に立ち止まると、ニコッと優しく微笑み掛けられた。
「それに、全部が全部嘘じゃない。君を愛していると前に言ったはずだ………それは今も……例え君が、俺以外の男の子供を妊娠していても変わらない」
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