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番外編 忍び寄るズーノンの影

「未知さんやおなかの子、一太くんやハルちゃん、たいくんにここちゃんを守るためには、あなたが譲歩するしかないんです。それにリーを撃った男が地竜と一緒にいました。私は顔を見ていませんが間違いありません。名前は黄」 『黄だと?』 ドダバタと足音が聞こえてきて今度は柚原さんの声が聞こえてきた。 それから数時間後・・・・ 軽い目眩と吐き気を催した僕は太惺と心望に添い寝しベットに横になっていた。 あっパパ‼パパたんもいる‼おかえり~~! 遥香の弾んだ声が下の階から聞こえてきて目が覚めた。起き上がろうとしたけれど体が鉛のように重くて思うように動いてくれなかった。 「無理に動こうとするな」 ドアが開いて彼が姿を現した。 「遥琉さんごめんなさい」目を合わせる事が出来なくて蚊の鳴くような声で答えた。 「俺の方こそ、悪かった。頭ごなしに怒ったりして……それで体調が悪くなったって橘から聞いて……」 ベットに腰を下ろすと、しゅんとして肩を落とし深く項垂れた。 「一度ならずも二度も・・・・ごめんな、未知」 「遥琉さん」手を懸命に伸ばし、おっかなびっくり彼の手の甲にそっと重ねた。 「僕も、おなかの子も元気だよ。思ったよりそんなに悪阻が酷くないし。遥琉さんは何も悪くない」 彼を元気付けようとわざと明るく振る舞った。 「未知、ありがとう」 両手を包み込むように優しく握り締めてくれた。 『優璃、黄も危険な男だ。これ以上、危ない目に遭わせたくない』 『おぃ、おぃ、子供の前で夫婦喧嘩は止さんか』 言い争う橘さんと柚原さんの声と、それを宥める惣一郎さんの声が下から聞こえてきた。 「たく、参ったな」 これには彼も苦笑いするしかなかったみたい。 「それか、地竜から渡された腕輪は」 ベットの脇のテーブルの上にちらっと目をやるなり、彼の目付きが変わった。 やっぱりまだ怒ってる。 どうしよう………

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