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番外編 暗澹
「琥珀 は青蛇 のアンダーボスだった男だ。束になってかかっても勝ち目はない。だから紫竜は彼を利用することにした」
「彼って………もしかして……」
思い当たる人は一人しかいない。
そんな理由で無関係な人達を大勢巻き込み、傷つけたの?
「そんなに睨むな。可愛い顔が台無しだ」
「お兄ちゃんは関係ないのに、何で?彩さんを誘き寄せるならこの僕を囮にすればいいでしょう」
「出来るわけがないだろう」
目を見開き顔をしかめ、声を荒げた。
「何があっても君を愛し続ける、組織から絶対に守る抜く、そう誓ったはずだ。だから危険な目には遭わせたくなかった。たとえ、組織に刃向かうことになってもだ」
地竜さんの顔を恐る恐る上目遣いに見上げると、真っ直ぐな眉をわずかに寄せ、真摯な眼差しで瞳を覗き込まれた。
「ずっと愛しているから傍にいてくれ。そうしたら、いつかーー」
俺を愛してくれることもあるのかと、躊躇いがちに尋ねてくる地竜さんに、俯いて首を横に振った。
「ごめんなさい、僕には・・・・・」
「そうだよな。意地悪な質問だったな」
地竜さんは苦しげに笑うと、腕の力を緩めてくれた。
「6人の子供達の手を何があっても離すなよ。未知、最後にどうしても君に会いたかったんだ。ありがとう」
ベットから下りると窓に向かって歩き出した。
その直後、バタンとドアが開いて、
「地竜‼」
駆け付けてくれた蜂谷さんの鋭い声が部屋中に響いて、「未知大丈夫か」彼が駆け寄ってくれた。
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