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番外編きみが癒し生きる希望

「行かなきゃ………一太を守らないと」 遥香をベットに寝かせ、立ち上がろうとしたら和江さんに止められた。 「あなたは動いちゃ駄目。ここにいなさい」 「彼がいないんだもの。子供達を守れるのは僕しかいない。行かせて下さい」 「マー、和江さんの言う通りだよ」 「未知は動かない方がいい」 両隣にちょこんと座り込んできた紗智さんと那和さんに挟まれ身動きが取れなくなってしまった。 「心配しなくても惣一郎さんが幼稚園に向かったから。駐在さんもいるし、大丈夫よ」 和江さんの視線が盃直しの模様を配信中のパソコンの画面へと何気なく向けられた。 あら………驚いたような声を上げ目を見開いた。 「和江さん……?」 「上総の若い頃にそっくりだからびっくりしゃって。やっぱりこうして見ると親子ね」 「お義父さんと知り合いなんですか?」 和江さん聞き返すとふふっと意味深な笑いが返ってきた。 一太や惣一郎さんに万が一のことがあったら………無関係な人達を巻き込むわけにはいかないからと鳥飼さんがすぐに幼稚園へ向かってくれた。 「惣一郎さんがね、今回の人事に関し不平不満を口にする輩がいないとも限らない。ほんの小さな綻びがやがて昇龍会を分裂させるきっかけになるかも知れない。そんなことを口にしていたわ。千里さん命を狙われたりしないかしら?」 「千里の側には播本さんや秦さん、それに笹原と青空(そら)がいます」 「貴方もでしょう橘さん」 和江さんに言われ、そうですね、一応可愛い弟には違いありませんから、そう言葉を返した。 「弟じゃなくて妹でしょう」クスッと和江さんが苦笑いしていた。

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