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番外編 黒い魔の手

その直後紗智さんの顔色が変わった。 「かつて俺の部下だった男だ………真珠は、ガキとその母親を巻き添えにして死ぬつもりだ」 電話の向こう側から聞こえてくる中国語を日本語に訳してくれた。 「スカルは真珠に情けを掛けた。同じ男を愛してしまったから、誰よりも真珠の気持ちが分かっていたから。だからトドメを刺さず逃がした。騙されているとも知らず。真珠の狙いははじめからガキとその母親」 電話が一方的に切れると、すぐさま鞠家さんに連絡をするように頼んだ。 駅に彼を迎えに行き、その足でこっちに向かっている。柚原さんも一緒だ。 「マーと一太くんが危ない!早く来て!」 『あちこちに検問があって、4号線が渋滞していてなかなか前に進まないんだ』 「どうにかならない?」 『裏道を探してみる』 『未知、一太は大丈夫か?』彼が話しに割り込んできた。 『蜂谷からキャンディーに毒が仕込まれていたそう聞いて、生きた心地がしなかった。ごめんな、未知。地竜の首はあとで締め上げておくからな』 「俺はマーじゃないよ」 紗智さんが笑いながら電話を代わってくれた。 『未知、一太は無事か?遥香は?太惺は?心望は?あと……そうだ!おなかの子は?』 「本当に心配性なんだから、みんな無事だよ」 おなかの子のことまで心配してくれるなんて・・・・・お腹をそっと擦った。

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