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番外編 ごめんね、

柔らかな日差しが庭で遊ぶ子供達に優しく降り注いでいた。 両親から贈られたピカピカのランドセルを背負い、溢れんばかりの笑顔を見せる一太。遥香はいいなぁ~~と羨ましそうにお兄ちゃんを見詰めていた。 彼や紗智さん那和さん、組のみんなと写真撮影会が始まった。 『未知、ごめんね』 ランドセルが入っていた箱に両親からの謝罪の手紙か入っていた。 あの日何があったのか、記憶がいまいち曖昧でよくは覚えていない。 ただ子供達を守るのが精一杯で・・・・・ 彼や橘さんから聞いた話しでは、あっという間に火の海となった二階にいち早く駆け上がってきてくれたのは、彼と惣一郎さん、鞠家さん、蜂谷さんだった。 消防団がすぐに消火活動をしてくれたお陰で被害を最小限で食い止めることが出来た。 追い詰められた男はペットボトルの底に微かに残っていた灯油を自分に掛け自殺を図ろうとして、蜂谷さんと鞠家さんに取り押さえられた。 男の供述から暗殺を指示したのが彩さんだと分かった。そして潜伏していた日帰り温泉施設に捜査員が踏み込み身柄を確保された。 両親は連日のように放送されたワイドショーで、彩さんが国際指名手配犯真珠と同一人物で、警察に逮捕されたということをはじめて知り、お兄ちゃんが医療刑務所に収監されていることもはじめて知った。 『知らなかったとはいえ、未知に辛い想いばかり、たくさんさせてごめんね』 泣きながら書いたのだろう。 字は震え、インクが滲んでいた。 ごめんね、は僕の方。 だって記憶が、何一つ覚えていなかった。 先生は一時的なもの、そう言ったけれどあれから一ヶ月半が過ぎても何も思い出すことが出来ないでいた。

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