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番外編 ごめんね、

「未知お姉さんの子供の、ハルちゃんに、たいくんにここちゃん。ここにはいないけど一太くんっていう名前のお兄ちゃんがいるんだ よ」 「にいたん?」 「うん。ゆうくんと同じ男の子。すごく優しくて強くて格好いいお兄ちゃんだよ。帰ってきたら遊んでもらおうね」 「うん!」 遥香も優真くんが気になるのかちらちらと様子を伺うように見ていたら、 「ハルねえたん、あちょぼ」 優真くんの方から声を掛けられた。 「うん」 はじめは恥ずかしそうにモジモジしていた遥香だったけど、後ろ向きでゆっくりとベットから下りると、優真くんと仲良く手を繋ぎ廊下に駆け出した。 「お外は危ないからダメ。おうちのなかで遊ぶんだよ」 心さんが二人のあとを追いかけた。 「優真、なかなか人に馴染まなくて……同世代の子供とも遊ぼうとしないし。困っていたんだ。ここに連れてきて良かった」 ほっとして胸を撫で下ろす裕貴さん。 いつの間にか口喧嘩は終わっていた。 「遥琉、あとはみんなに任せて鷲崎に会いに行ってこい」 「あぁ、未知や子供達を頼む」 「おぅ任せておけ」 上着を颯爽と羽織りドアに向かって歩きだした。でも、何かを思い出したのか踵を返すと、僕のところに真っ直ぐに戻ってきてくれて、触れるか触れないくらいのキスをおでこにしてくれた。 「すぐに帰ってくるから、子供達と待っていろ」 うっとりとするくらい凛々しい眼差しで見詰められて。ドキっと心臓が跳ねた。 ………キス………嫌じゃなかった。 おでこには彼の熱がハッキリと残っていて、ドキドキが止まらなくなってしまった。 「ゆでタコみたいで可愛い」 クスクスと満足そうに笑いながら、千里さんと笹原さんと一緒に出掛けていった。

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